春の七草のふりして、おかゆにもぐりこむ「タネツケバナ」
2017/10/06
春の七草の季節はもう過ぎましたが、里山には相変わらずナズナ、通称ペンペン草が生えています。「ペンペン草も生えないような・・・」と揶揄するのに起用される、荒地でも兵平気で育つ実にたくましい野草のナズナ。春の七草でナズナを食べることは、どんな社会でもたくましく育って欲しいと、そういう願いがこもっているという話があったような・・・無かったような。
ナズナの実はハート型の種子に細い柄がついていて、その柄を引っ張って茎の皮をちょいと剥ぎ、ぶらぶらになった実を10個ぐらい作って、指で茎を回転させたら「ペンペン」と音をたてる、そうい遊びもあります。食べられて遊べる、まさにマルチスキル。それでいてタフ!ときたらジャパニーズビジネスマンはナズナに敬意を払いたくなるでしょう。
そのナズナに「そっくりさん」のタネツケバナというのも里山に生えています。
タネツケバナを知らないと「こいつはナズナだろう」と思ってしまい易さ満点な風貌。実際、春の七草にこのタネツケバナが混じっておかゆが炊かれることが往々にしてあるとの情報があります。昨今であれば「異物混入問題」ですが、タネツケバナもナズナ同様に食べられるから、まあ、いいんじゃないのぉ・・・。
改めてタネツケバナをよく眺めると、ナズナについているハート型の「ペンペン」がありません。ペンペン鳴らして遊べないから、こいつはナズナに遅れをとっているかと思われてしまいますが、タネツケバナには米作りに不可欠の「種籾を水につける時期」を知らせる能力があるといいます。タネツケバナの開花を見計らって「そろそろ種籾、水に浸さんとな」とくるわけです。
しかし、上記写真を撮ったのは4月。花が咲いているから「そろそろ種籾・・・」では、ちょいと遅いんでは?? タネツケバナはけっこう咲いている時期が長いから、桜のように開花をいち早く発見しないと手遅れになるかもしれません。
想像するに、きっとタネツケバナの開花を読み違えて、種籾を水に浸す時期を間違えた人もいたのでは?
そういう理由からなのか?タネツケバナの花言葉は「父の失策」なんだそうです。
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