里山「春の野草」の代表格! どこにでもあるタンポポ、だけど・・・
2017/10/06
京都の「みささぎの森」は、地元の植物や小動物、昆虫などが集まってくる「ビオトープ」をめざして手入れしているので、風や鳥が運んでくる種で勝手に芽を出した、通称「雑草」も、全部は刈り取らずに、ほどほどにしています。
果樹や野菜の隣に、勝手に生えてきた雑草がある。そういう場所を作っています。
なので、春になると「雑草」にたくさん花が咲きます。「雑草」と聞くと、邪魔でどーでもいい草という悪いイメージが漂いますが、よく言われるように「雑草にもひとつひとつ、ちゃんと名前がついている、生きている植物」です。
春には・・・
タンポポが咲きます。
「あーなんだぁ、タンポポか」と見慣れた風景で、ふつうは気がつきませんが、京都あたりのタンポポは、日本古来で近畿地方から南の方に生えている「カンサイタンポポ」と、海外から輸入された「セイヨウタンポポ」が共存?して両方が見られます。
特徴は、花(実は小さい花の集まりでひとつの花に見えるのです)の下にある総苞(そうほう)という花のカバーみたいな部分が、反り返っていなくて、ぴっちりしています。それに形も小型。なんとなく「ヤマトナデシコ」っぽい日本的な雰囲気が感じられます。
それに対して外来種のセイヨウタンポポは、花がふさふさとボリュームがあり、総苞が反り返っていて、花の下を見るとぼさぼさした印象があります。
こんな2種類のタンポポが、同じ場所にまさに隣り合わせで生えているもんだから、ときどき交配して、どっちともつかずつかずのハーフなタンポポ生えてしまうこともあるそうです。が、今回はそれは見つかりませんでした。一般には外来種の生物の方が生命力が強くて、日本古来の種を追い払っています。日本勢で世界進出して成功?しているのは、日本人とヤマトゴキブリぐらいが有名ですが、実はカンサイタンポポは根っこが大きくて、ここに養分をたくさん貯えられるので、セイヨウタンポポが育ちにくい草藪の中でも育つ、という特長があります。はびこってきた外国勢の中で、なかなか善戦していると言ってもいいでしょう。
それはともかく、春になって黄色い花が地面近くを敷き詰めている光景はカンサイタンポポでもセイヨウタンポポでもなかなか目に鮮やか、きれいで和みます。
やっぱりニッポンの春はタンポポですね!
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